「うそっ!!華、結婚するの?」


「ちょっと亜紀、声大きいよ…」



周りの客の視線が私達に刺さる



久し振りに会社帰り飲みに行こうという事になり、よく行っていた大衆居酒屋で亜紀はビール片手に驚いている



「まだ…返事は待って貰ってる」


「何かあまり嬉しそうじゃないね」


「そんな事ないけど…」


私はジョッキのウーロンハイを一気に飲んだ


「じゃ、結婚しちゃえば付き合ってる人もいない

このまま一生派遣やってくつもりじゃないでしょ」


「そうだけど…」


ごもっともな亜紀の意見に声が小さくなる


「じゃあ他に好きな人いるんだ」


えっ…


思わず亜紀を見た


「そっそんな人いないよ

すいませーん、ウーロンハイください」


この話を終わらせようと遠くの店員に私は大声で注文した