「…ごめんな、立花。」




ぎゅっと抱きしめ返す白崎の力は、優しくも力強くて。



じんわりと目頭が熱くなりながらも、白崎の肩に顔をうずめた。




「許してあげない。」



「…それは困りましたね?」



クスッと白崎が笑った気がした。




「…せっかくの記念日だったのに。」



なんて、少し意地悪。
あたしはね、白崎、



単純なんだよ?



だから、今、こうしているだけで昨日のことなんか忘れられそう。






「…じゃあ、今日も記念日にしましょう。」



「…え?」