「忘れたのかと思った…」 「昨日、渡して今日忘れる訳ないだろ?」 「だって、何も言わなかったし、いつも通りだったから。」 白崎はゆっくりあたしを引き離すと、そっとメガネをはずし、あたしの顔を両手で包み込んだ。 白崎の手、冷たいや… 「あったかいな、立花。」 「白崎が冷たいだけ。」 白崎はクスッと笑みを浮かべる。 「…そ。じゃあ、温めて?」 そっと、触れた唇は冷たくて。 だけど、すごく温かいね?