「もう帰れ?お母さんが心配するだろ?」




白崎が呆れたようにそう言うと、亜子ちゃんは走って行ってしまった。












手は握られたまま。
どちらかが喋るわけでもなく。





歩く音だけが響く。



すると、急に白崎が立ち止まり、ゆっくりとメガネをはずした。