○×県未来区、2ー2ー5。

そこに、立派に立っている2階立ての家。玄関の表札には、『坂田』の2文字。

「実、ちゃんと勉強してるか?」
「してるよ、父さん。」
「あなた、実はあなたのような医者になるって頑張ってるの。うれしいわねぇ」
「そうか!がんばれよ、実。」
「う…うん!」

(ああ、このままぼくは母さん達の言いなりになんとなく医者になるのかな…)


坂田実、中学3年生。








〇×県未来区、3ー4ー6。

中華料理『飯田飯店』の看板を掲げているその店は、

「いってきまーす!!」

少年の声が響く。

「あの子またどっかいって…受験生なのに…」

「まあ、いいじゃないか。好きにさせとけ、好きに。」

(ヨッシャ!今日は西の林だ!)




飯田敦、中学3年生。










夢は、始まった。