「ママがね、一緒にお昼食べようって」


「ああ。分かった」


お互いまた、自分の仕事を再開させる。


「ひゃっ!」


それからしばらく仕事に集中していると、急にライアンに髪の毛を触られて変な声が出てしまった。


「何するの!」


「髪邪魔そうだったから、縛ろうと思って」


「だからって急に触らなくても」


「別にいいだろ。お前は俺のなんだから」


そう言いながらライアンは、胸まで伸びた私の髪を丁寧にひとつにまとめていった。


ライアンは、出会ったときから少し強引な男だった。


私とライアンの出会いは、私が高校2年、ライアンが大学1年のとき。


ライアンが通っていた大学の附属高校に私も通っていて、私がその大学のアメリカンフットボールの試合を友達と見に行ったのがきっかけ。


ライアンは1年生ながらレギュラーで、人気選手。


友達はライアンを見て、キャーキャー騒いでたくらい。