それからライアンが病院を退院するまで毎日、私は病院に通った。


ライアンのリハビリに付き合ったり、病室でいろんな話をした。


「美亜は将来、日本に帰るんだろ?」


「うん。パパがお菓子会社の社長だから、それを継ぐの」


「じゃあ、俺も日本に行こうかな」


「ライアンは、将来の夢はないの?」


そう言ったらライアンは、少し考える表情を見せて話しだした。


「別にこれといってないかな。毎日楽しければそれでよかったし」


「ふーん」


「でも美亜と出会って変わった」


「変わった?」


意味が分からなくて首をかしげていると、ライアンにチュッとキスをされた。


「頑張ってる美亜を見て、美亜のために何かしたいって思うようになった」


「私のために?」


「そう。だから大学に戻ったら早く必要な単位とって卒業して、美亜のために勉強し直す」