駅に続く道で、俺たちは行きよりも断然多くの話をした。
今日の遅れた理由も、もちろん聞いたわけだ。
「今日ね、お母さんの誕生日で・・・」
「まじで!?」
「そうなの。だから、朝プレゼントとか渡してたら遅くなっちゃった。」
「そっか。おめでとうございます、だな。」
「おめでとう、っていう歳でもないのかもしれないけど。」
「そんなことねぇよ。自分が生まれた日なんだしさ。いつでも、おめでとうは大事だろ。」
「・・・雅らしい。」
俺らしい、という言葉の意味はよくわかんねぇけど、多分褒め言葉。
「・・・ありがとう。」
「そういえば、雅の誕生日はいつ?」
「俺は四月一日。」
「・・・うそ。」
「いや、うそって、そんな嘘つかねぇよ。あ、エイプリルフールとかいうんだろ!」
「違うの!私も、だから。」
「ん?」
「私も、四月一日なの。」
なんとうか、これって、なんという?
「エイプリルフールだから、誰も信じてくれなんだよね?私もよく言われたっ。」
「お、おう。だよな?」
「にしても、すごいねっ。」
すごい、で済ませていいのかわからないけど、いや、すごいんだよな。