「雅に嫌われてなかった・・・っ」
また、そんなこと言う。
さっきも店を出る前にそんなこと言うんだもんな。
まったく、困ったお嬢さんだよ。
「ばか。嫌いになる要素なんかねぇよ。」
「・・・うん。」
「そろそろ、離れてくれませんか?・・・恥ずかしいんだけど。」
「・・・やだっ」
「は!?」
これまた大胆な発言ですけど、さすがに、このままは恥ずかしすぎてたまらん!
半ば無理やり未那を引き離して、未那の顔を覗く。
「え?・・・まぁた泣いてんの?」
「だってぇ・・・っ」
「はいはい。まだ服見るのか?」
「っ・・・うん。」
そこは返事をするんだな。
仕方なく、俺は未那が泣きやむのを待って、再度店に戻ることに。
中に入ると、店員さんはまた不思議そうに俺たちを見ていたが、優しく「いらっしゃいませ」と言ってくれた。
そして、未那はというと・・・。
「雅、今度はちゃんと一緒に選んでよ?」
「あぁ・・・。」
さっきとはうって違い、明るさマックス・・・。
テンションの高低差のすごさ、というものを思い知らされた。