自分で、「あーんっ」と言いながらパスタを食べる。
そんな光景につい見とれてしまった。
「あ、パスタもおいひい。」
「お、おう。だろ?」
「ん?雅、どうかしたの?」
「え?いや、なにも?」
「顔、赤いよ?」
さっきから両頬が熱いのはわかっていた。
でも、それは、未那のせいだ。
「うるさい・・・。さっさと食って出るぞ。」
俺は急いでパスタをかきこんだ。
早くここから逃げたい気分だ。
『ありがとうございました~』
店員の明るいあいさつの声と共に、俺たちはカフェを後にした。
「おいしかったぁ。ありがとう、おごってもらっちゃって。」
「あぁ、いいよ。」
カフェを出たものの、どこに行くのか決まってない。
「未那。どこか行きたいところとかあるか?」
「ん~、ショッピング。」
「店は?」
「○○ってお店知ってる?」
未那が口にした店は、割と有名な店。
俺でも知ってるんだから、間違いないはず。