未那は約束の一時を過ぎても来なかった。
・・・遅刻?
そう思ってまたしばらく待っていたけど、いくら待っても未那の姿は無し。
「・・・電話してみるか。」
約束の時間を三十分過ぎた。
俺はケータイを出し、未那の番号に電話をかけようとした。
そのとき、俺のケータイを後ろからスッと誰かに取られた。
振り向くと、そこには、俺が待ち続けていた人がいた。
「未那!」
「ごめん、用事が長引いちゃって。」
「連絡くらいしろよ!」
「こういうとき、よりによってケータイは家でお留守番だったり・・・ね?」
家で、お留守番・・・。
未那らしい・・・かもしれないけれども!
「ばか!可愛く言ってもだめだからな!」
「・・・ごめん。」
「はぁ・・・」
未那の手から俺のケータイを取り、ポケットに入れる。
そして、未那の肩をそっと抱き寄せる。
「えっ、ま、雅?」
「・・・心配させんなよ。ばぁか。」
未那のおでこに、コツンッと俺のおでこをぶつける。
おしおきはこれくらいにしてやるよ。
・・・可愛いから。