未那はこの二年で、ある意味で若返ったようだ。


精神的な部分で。



「ねぇ、何?」



空には三日月が浮かんでいて、その三日月の光が未那の目に薄ら溜まっている涙に反射している。


そのキラキラした瞳の中に、俺がいた。




「明日、デートしよう。」


「デート?」



「そう。明日、用事とかあるのか?」



「・・・午前に少しだけ。」



「じゃぁ、午後から。未那の行きたいところとか、飯とか。デートしよう。」



「ホントに?」


「おう。」



さっきよりも目を輝かせて「ホントに!?」と言い続けるこのお嬢さんは、どこまで子供なんですか。




「これじゃ、どっちが大人かわかんねぇ・・・」


「えっ、どういう意味!」



「そのまま。二年前の方がもっと大人しいイメージだったのにさ。」



「・・・今の私は嫌?」


「嫌じゃねぇよ。でも、なんでそんなに子供っぽいのかなって。」




すると、黙り込んでしまった未那。


俺、何かまずいことでも言ったんだろうか。




「え、み、未那?」