語尾がだんだん小さくなって、未那の言葉が聞こえづらくなった。
照れすぎだろ、なんて言ったらもっと照れてくれそうだけど。
「・・・なら、帰らなくていい。」
「・・・は!?」
「私だって、雅と・・・一緒にいたいから。」
そ、そんなことを道のど真ん中で言いますか!?
心の中で今の状況を把握しようと必死の俺に、お構いなしに袖をつまんでくる未那。
そんな、子供みたいなことされたら・・・マジで帰れない。
「っ未那、そんなわがまま言われても、な?」
「わかってるよ・・・?でも、二年ぶりに会えたから・・・もっと一緒にいたいなって思っただけ。」
俺の袖から指を放して、残念そうにションボリする未那。
そういうところがまた俺を困らせるって、気付いているんだろうか。
「・・・今日は帰るよ。」
「・・・わかった。じゃぁね。」
「でも」
完全にテンションがだだ下がりの未那を、このまま帰したら、不安要素がたっぷりだ。
そんなの、余計に帰れないっての。
「・・・でも?」
そんな顔しなくても、俺はちゃんと考えてるんだ。
ずっと先のことはすごく考える癖に、今のことについては子供っぽい考えしかできないんだよな。