「焼きもちとか妬いた?」


「い、いや、全然。」



「仕方ないから、手繋いであげる。」




それは未那の手で、初めて繋いだ手。


そもそも、女子と手を繋いだことって・・・多分ない。




「・・・手、温いな。」


「そう?」



なんて言っていいのかわからず、口をついて出た言葉はそれしかなかった。

何故か二人、黙り込んでしまった。




そのまま会話もなく、未那の家についてしまった。




「今日はありがとう。ごちそうになりました。」


「いや、俺の方こそ、急に呼んだあげく、料理とか一緒に作ってもらって。うまかったし、さんきゅう。」



「また、何か作ってあげましょう。・・・これからは、食べに来てくれてもいいよ?」



少し上目づかいで「ねっ?」と首をかしげる、俺の目の前の可愛らしい小動物・・・じゃなくて未那。



「・・・ぜひ。」




「じゃぁ、また・・・」


「あ、メアドは、変わってねぇの?」



「うん。変わってないよ。」



「じゃぁ、帰ったらメールする。」


「うん、待ってる。」



「・・・じゃぁな。」


「うん・・・」



そのまま、俺は後ろを向いて帰ろうとした。