幸せなことがあるかもしれない。


嬉しくて、楽しいことが待っているかもしれない。




だから、人生は楽しいんだ。



諦めたら、何もないんだ―――。








「では、お邪魔しました。」



「またいつでも来てね?お料理もだけど、お菓子作りも教えてほしいものだわっ。」


「はい、ぜひ!」




俺の合格祝いパーティーは、無事に終了した。


そして、これから未那を家まで送りに行く。



「んじゃ、送ってきます。」


「はぁい。」




俺と未那が途中抜けていたことは、誰も聞かなかった。


きっと気を利かせてくれてくれたんだろう。



「雅、身長伸びた?」



しばらく歩いたとき、隣から未那が少し背伸びをしながら聞いてきた。


って、この質問、今日二回目か・・・。



「あぁ、一年の時より五センチくらいは、っていうのを智さんにも言った。」


「智も?あはっ、同じ。」



俺は何も面白くないっての。


そのとき、俺の手に温かいものが触れた。



「んっ?」