―――――――未那、俺、あの日・・・未那と最後に電話をした日。
『忘れないでいてくれる?』って俺に言ったよな。
そのとき、俺は『どうして未那は、俺を苦しめる?』って言ったんだよな。
あれは、俺がただ弱かったから言った言葉だったんだ・・・。
二年間も未那を忘れずに、一人想い続けるのは苦しいと決めつけていた。
でも、それは違ったんだよな。
俺の中心が未那だったから。
その未那がいなくなるってことが、辛かった。
会えなくなったら、どうなるんだって不安だった。
なら、忘れる方が簡単だ。
楽だ、って決めつけて逃げてただけだった。
俺、バカだよな。
もしも、あの時、そこで本当に諦めてたら、こんな幸せもなかったんだろうな。
時間は、止まることなく過ぎていく。
いくら止まってほしいと願っても。
そうなんだ。
それでいいんだ。
時間は、止まってはだめなんだ。
それじゃ、生きている意味がないから。
幸せな時間のまま止まれば、き幸せなまま生きていける。