それから数日、学校から帰ったら部屋にこもって、新曲を書いていった。
今度は、どんな曲にしようか・・・。
悩んで悩んで、悩んだあげく、できた曲。
「やっぱ俺・・・天才だな。」
一人部屋で言うような言葉じゃないかもしんねぇけど、それくらい、今回もいい曲ができたと思う。
そして、いよいよ四日間で仕上げた新曲の練習を始めた。
「雅、やっぱすげー!俺この曲好き~。」
「だろ?俺も、昨日できあがった時思った。てか、直登気持ちわりぃ。」
俺が仕上げてきた楽譜に、頬ずりをしている直登。
それを見た俺たち三人はドン引き。
「お前ら俺から離れて行くなよ!?せめて、紗奈だけはぁ。」
あげく嘆きだした直登を、俺たちは笑うしかなかった。
そんなこんなで、毎日が過ぎて行った。
毎朝、バスに乗ると、俺はやっぱりあの席へ向かう。
そこに未那がいない事くらいわかってる。
けど、やっぱりあの席が俺と未那を出逢わせてくれた場所だから。
未那はいないけど、俺はこれから後二年間、あの席に座り続ける。
未那を忘れないために―――。
無事に二年に進級して、変わらない日々を過ごした。
そして、三年になって、俺たちも受験シーズン。