「・・・どうして・・・」



『・・・え?』


「どうして未那は、俺を苦しめる?」



なぜ、この時こんなことを聞いてしまったんだろうか。



どうして俺は、自分で自分を苦しめて、未那をも苦しめたんだろうか・・・。




『・・・ごめんなさ。そうだよね、そうだよ。ごめん、今のは忘れて?』


「あ、いや、その・・・」

『雅。』



どう答えたらいいのか迷っている俺に、未那が俺の名前を呼ぶ。

そして、未那は、俺に最後の言葉を告げ始めた。



『今までありがとう。雅には色々と助けられた。迷惑たくさんかけたよね?ごめんね・・・』


「別に、俺が勝手に未那の話に入っていっただけで、迷惑とか、そんなのは無かった・・・。」



『ありがとう。バスで雅に出逢わなかったら、私、死んでたかもしれない。でも、雅に会えてよかったっ。』



「・・・俺も、未那に出逢えてよかった。」



未那に会って、初めて恋をした。


『高校生とは思えないくらい大人な雅。色々と教えてもらったなぁ。』



「俺も・・・。」


未那に会って、恋が辛いということを知った。



『・・・本当に、ありがとう。』



俺は・・・




『じゃぁ、寝るね?電話してくれてありがとう。一週間後に、日本からいなくなるから。それまでにまたバスで会えたら、そのときはよろしくね。じゃぁ、おやすみなさいっ。』


「・・・おやすみ。」