放課後。



部活動に参加するでも無く、家に帰る。





仲良く自転車をこぐ他校の女子2人が、寄り道をしよう等と楽しそうに話ながら、脇を通り過ぎて行く。







「……………………」








家に着き、リビングへ行くと、テーブルの上に見慣れた封筒が置いてあった。






中を確かめると、2万円が入っている。








両親はとっくの昔に離婚し、この家には、父と私の籍がある。








しかしその父は、どこか別の所で寝泊まりをしていて、この家にはほとんど来ない。







こうしてたまにこの家を訪れて置いて行ったお金で、私は暮らしているのだ。









いったい、いつからだろう?









おそらく、小学校の高学年くらいから。





私は、事実上の独り暮らしをしていた。