観念した私は、残った最後の唐揚げを、明智君のお弁当箱に移した。


「へっ?」


まさか私がくれると思わなかったのか、明智君がキョトンとした瞳で私を見返す。


「しょうがないからあげるのよ。マズイなんて言ったら、ブン殴るからね」


「………!!ありがとう桃妃ちゃん!!」


顔の筋肉を最大限に緩めた明智君は、嬉しそうに私が作った唐揚げをパクリ。


そして、満面の笑みを見せた。


「マジウマイ!さすが桃妃ちゃんだね!本気でウマイ!!」


………っ!


ど、どうしよう……


今ほんの一瞬だけ…ドキッとしちゃった……!