お母さんだって忙しいんだし、毎日毎日作らすワケにいかないでしょう。


今日のお弁当は私が作ったのは本当なので、正直に答えた。


「マジッ!?桃妃ちゃん手作り!?」


明智君の瞳の奥に、無数のキラキラが見える。


そのキラキラは私にまで届いて、私はサッとお弁当箱を両手で持ち上げた。


「言っとくけど、あげたりしないからね」


「お願い!一口だけでいいから、食べさせて!」


案の定私の手作りクッキーにつられた明智君は、私の手作りお弁当にも飛びつく有り様。


もうこうなったら、本気で彼が犬に見えて来てしまった。