「―――ムリ」


「え?は、隼斗?」


「桃妃ちゃんを諦める事なんか出来っこねぇだろ!ムリ言ってんじゃねぇ朋貴!!」


いきなり顔を上げ、ついでに腰まで上げたオレを、朋貴は呆気に取られながら見上げる。


オレは朋貴の持っていたジュースを奪い取って、飲み干してやった。


「ハァ!?お前何人の飲み物勝手に飲んでんだよ!!」


案の定怒る朋貴だが、小学生の頃から怒られ続けているので、軽く無視。


「よし………っ!」


HR終了のチャイムが鳴ったのを確認して、オレは走り出した。


「キャア!」


「うおっ!?」