一瞬断られるかと思いきや、コクンと小さく頷いてくれた。


オレから離れて、ゆっくり目を閉じる。


オレがホッペに手を添えると、頬の温かさが直に伝わって来た。


「………好きだよ」


「うん……私も」


嬉しい事を言ってくれる桃妃ちゃんに、目尻が下がる。


そのままオレも目を閉じて、桃妃ちゃんの唇に自分のを重ねようとした…時だった――――…


「隼斗ーー?」


「「!?」」


ノック音と一緒に聞こえたのは、実の姉の声。


「誕生パーティーの主役が何部屋閉じ籠ってんの。さっさと出てきなさーい」


「チッ…」