リンゴまるまる1個入るんじゃないかって程口を開けて放心状態のオレに、フワッと心地よい温もりがまとわる。


その温もりの正体は、オレの背中にしっかりと手を回す桃妃ちゃんだった。


「明智君……好き。1度フッといて、しかも誤解でヤキモチ妬いて―――散々な行動しか出来なかったけど」


“アナタには、負けたわ……”


そう言った桃妃ちゃんは、キュッとオレの背中に回してる腕に力を込めた。


段々とオレの思考回路も、正常に戻って来る。


「明智君……?やっぱり勘違いでヤキモチ妬いて泣く女って、ウザったくなった………?」