ああそっか、なんだ、簡単な事だったんだ。


今心の中で明智君にいつもの様に“桃妃ちゃん、好き!”って言われたらって想像したら……私、堪らなく嬉しかった。


最初の頃の『話した事も無いのに何言ってんのよ!!軽過ぎるんじゃない?この人!!』って嫌悪感は全く無くて……


心に思い描いた私は、こう答えてた。


『うん……私も好き』


私…もうずっと明智君の事が好きだったのかもしれない。


だけど恋愛経験無いから……“恋”ってよく分からなくて、それでこんなに簡単に抜け出る事が出来る迷路から出るのに、メッチャ時間がかかった。