こ、これは一緒に帰れるチャーーーンスッ!!


「だったら桃妃ちゃん、オレと一緒に帰ろう!今日バレー部無いよね!?多富さんと長谷水さんがいないなら、ぜひオレと!」


自分自身を指差し、必死にアピールする。


「えーーー…」


「お願い!!オレ桃妃ちゃんと帰りたい!!」


両手を合わせて頼み込む姿は、まるで『志望校に受かります様に!』と初詣に必死になる受験生みたいだったと、後から言われた。


「………」


目の前の桃妃ちゃんは、顔をしかめて何も言わない。


それでもめげずに誘おうとした時………


「――いいよ」