顔を上げると、長谷水さんの指はそのまま壁に掛かっている時計を示す。


「隼斗、もうすぐ次の授業始まっちゃうよ」


オレも時計を見ると、確かに後2分位で次の授業が始まろうとしていた。


だけどオレは動かない。


「いいんだよ、B組次自習だから」


ベッタリ桃妃ちゃんの机に貼りつき、離れたくないと言わんばかりに力を込める。


しかしD組は授業があると、長谷水さんに追い出された。


「そいや数学の問題どうしよっか?」


「………」


「―――やっぱり答え分かってるのに、桃妃に聞きに来たんだね」


……すみません。