「私、数学苦手なの。真琳は数学得意だから、真琳に教えて貰って頂きたい」


桃妃ちゃんは微妙に変な日本語でオレに命令すると、スタスタとD組の教室から出て行った。


「桃妃ちゃぁ~~~~ん……せっかくD組まで来たのにぃーーー…」


ガックリと肩を落とし、落ち込んで桃妃ちゃんの席に座ったオレに、長谷水さんの“そこ座っちゃっていいの?”という声が飛ぶ。


「いいんだよ……桃妃ちゃんのニオイすっから………ってオレヤベェ、変態じゃん」


ル~~、ル~~~と適当に悲しみの歌を歌ってると、長谷水さんがオレの腕を突っついて来た。