ハテナをポンポン飛ばして、顔を片手で覆っている桃妃ちゃんを見つめる。


丁度その時、長谷水さんがオレ等の傍を通りかかった。


「……真琳」


「えっ?何?桃妃」


桃妃ちゃんに呼び止められた長谷水さんは、クルッとこちらを振り返る。


桃妃ちゃんは無言のまま、席から立ち上がった。


「悪いけど、明智君に数学教えてあげて……」


「へ?桃妃ちゃんは教えてくんないの!?」


思わず桃妃ちゃんの手首を握りしめると、殺気だった目でギロッと睨みつけられた。


ウッ、さすがに怖い!!


焦ったオレは素早く手を離した。