俺だってバカじゃない。
そんな都合のいい付き合い、俺にとっても綾音にとっても、いい関係であるはずがない。


だから何度も断っていたんだけど……


「ま、深く考える前に付き合ってみて、それで私を判断してよ。
食べ物にしたってそうでしょ?甘いのか辛いのか、しょっぱいのか酸っぱいのか…口にするまでわからない。嫌い嫌いと言っていたって食べてみたら意外と違う世界が見えてくるものよ??」


そんな綾音の強引な押しに押されて……今に至る。



え??
意志が弱いって??


うるせーな。
押しに弱いのは父親譲りなんだよ。


なんだかんだ言ってるけどな。
俺だって男なんだよ!
女は好きだし、抱きたいし、抱きしめられたいし、とりあえずヤれるもんなら、ヤリてぇんだよ!


生身の男が八年も童貞を貫けるハズがねーだろうが!!


心とカラダは別モンだ。
これは俺の揺るぎない、信念だ!!



え?
最低だと??


あぁ、最低さ。
最低だと呼ぶがいい。


だけど、これだけはハッキリと言ってやる!!


女はどーなのかは知んねぇけど、男は愛がなくてもSEXのできる生き物だ。


生理的に受けつけねぇヤツなら無理だけど、興味が沸くやつなら一夜限りの恋なんていくらでもできる。 


それが男って生き物だ。