盛大に転んだせいで、服どころか、髪までどろんこになってしまった、私。


そんな私を見て


「……そんな恰好じゃ、中目黒まで辿りつけねぇだろ。一旦、綾音の家に帰って服借りたら??」


キョウちゃんは私の前にしゃがみこんで、私の頭上に傘をさす。



――なん…なの…??



冷たくしたかと思えば
急に優しくしたり



興味ないって顔してみたら
こんな風にあの頃と同じ表情を見せてくれたり。




もう……沢山だ……!!




これ以上振り回されたくない。




もうこれ以上、傷つきたくない!!!




「わ、私のことなんてどうでもいいでしょう!?
ほっといて!!」




そう言って
強引に立ち上がって
両足のパンプスをガバッと脱いで裸足で歩きだすと


「あのな。そんなドロドロ女、タクシーも拾ってくれねーぞ。」


「余計なお世話よ!
歩いて帰るから、ほっといて!!」


「アホか。
こっから中目までどんだけ距離あると思ってんだよ。歩いたら軽く2時間はかかるぞ。」


キョウちゃんは傘を私に当てたまま、お説教をしながら私についてくる。





でも、もう沢山!!


こんな嫌な思いさせられて、
友達にも嫌な思いを味あわせて……



もうこりごりよ!!



不幸の神様みたいなキョウちゃんとは、もう付き合いたくない!!