降り始めはポツポツと
だけど時間が経つたびにその雨足は強くなってきて、いつのまにかシャワーのような強い雨に変化していく。


冷たくて強い雨



そんな無情な雨が
私の体の芯まで濡らしていく。



苦しい心をさらに冷やしていくように
雨が私の体を濡らす。




私がいけないの?

あの雨の日、キョウちゃんのおうちに行った私がいけないの??




抵抗した私がいけないの?

レイプされた私に全部の非があるの??

わからない

わからないよ、キョウちゃん…!!!




行きかう人ごみ
空から降る冷たい雨


迷い、さまよい、苦しむ心




それらを抱きしめるように
自分の体を抱きしめながら、ただひたすらに泣いていると



「……オイ、クソ美。」


「………!!」


「こんな大通りでしゃがみこんでたら、社会の皆様のご迷惑になるだろーが。」



悩みの元凶

苦しみの悪魔



私の後ろに、大きな傘をさしたキョウちゃんが現れた。




――イヤだ…イヤだ…イヤだ!!




彼と同じ空気の中にいたくなくて、必死に立ち上がってその場から逃げようと走り出すけれど


「あっ!!!」


バシャン!!


折れたヒールのせいで安定感が悪くなって、足が思うように進まない。