こんな風にプライベートで顔を合わせるのは初めてだから、どうすればいいのかわからない。
――どうしよう…、どうしよう!!
逃げ出したい気持ちを抱えながら。でもどうすればいいのかわからなくて、その場に立ちすくんでいると
「なにしてんの。
さっさと上がれば??」
漆黒の髪に
漆黒の瞳
Tシャツにジーンズというラフな格好をした彼が、私を玄関まで迎えに来る。
相変わらずの冷たい目
私を見下しているかのような、その視線
そんな瞳に見つめられると
私はますます混乱する。
どうしたらいいのかわからなくて。怖くて怖くて、身動き一つできない。
固まったまんま
彼の瞳すら見れずに、一点を見つめてパニックに陥っていると
「あはは!やっぱり固まってる!」
ケラケラと笑いながら
綾音がキッチンから顔を出す。
――え!?
驚いて声の方向を見ると、そこにいたのは嬉しそうな顔をした綾音。
「オマエな…
こいつが来るって知ってて俺に黙ってたのか??」
真剣にイラついているキョウちゃんに
「そうよ?
ごめんね、響弥くん。」
綾音はどこ吹く風で、さらっとそんな言葉を口にする。