――あ、しまった!!



思わず口から飛び出した言葉を後悔しても、もう遅い。



キョウちゃんは南極の冷気をまといながら、鬼の形相をしながら私をギロリと睨み付ける。



――わ、私のバカー!!



後悔しながら、身を後ろに逃げさせると


「あの場合は……仕方ねぇだろ。」


キョウちゃんの口からは、思いもかけない優しい一言がこぼれ出す。





――え……??





疲れたような表情を浮かべながら


「あの場所で美織に会うなんて、想定外だったからパニクったんだよ。」


「……え……??」


「まさか綾音が紹介する親友がオマエだったなんて予想すらしてなかったから……咄嗟にどういう行動を取ればいいのかわかんなかった。……ごめんな。」





キョウちゃんの口から飛び出した一言に、胸の中が熱くなる。


“ごめん”だなんて、昔のキョウちゃんは絶対に使わなかった言葉だもん。



キョウちゃんもオトナになったんだな。
あの空白の八年間の間に、ちゃーんとオトナになったんだ。




そう思うとなんだか嬉しくなって


「うん、そうだね。
私もビックリして“はじめまして”なんて言っちゃったから……おあいこだね。
あの時はごめんね、キョウちゃん。」


そう、彼に声をかけた。