――きょ、キョウちゃん!!?


目上の方に向けてだとは思えない、その暴言にアワアワしながらコトの成り行きを見つめていると



「シンプソンがなんだってんだ!メダリストなんて怖かねーっつーの!!俺は誰より速いんだ!!誰より速く泳げるオトコだ!!」




キョウちゃんはガタンと立ち上がって、悪魔なオーラと共にカーターコーチを睨みつける。




そんなキョウちゃんを見てフフッと笑うと


「言うだけなら誰でもできます。」


「何!?」


「強がりを言うだけなら誰にでもできるんですよ、Kyouya。」


カーターコーチは子どもをあやすように、そんな言葉を口にする。





表情一つ変えないパパに
ニコニコと笑顔を振りまくカーターコーチ



一人苛立つキョウちゃんに
この雰囲気に耐えられない私。




――ど、どうしよう~!!

どうしよう~~~!!!!




怒りMAX
完全に暴走モードのキョウちゃんを横目にしながら、一人でワタワタしていると



「大切なのは強がりではなく実行する強さです。自分の弱さを受け入れる強さです。正直……今の君にはがっかりです。ボクが大好きだったKyouya Toudouとは別人だったようですね。」



そう言ってカーターさんはガタンと席を立つ。




「サヨウナラ、Kyouya。
ボクはコレで失礼します。」