彼が私からゆっくり離れた後も
私はショックで身動きひとつ出来なかった。
乱暴に奪われた体に
手首に赤く残る、緊縛の跡
恐怖で小刻みに震えるカラダに
瞳からとめどなく溢れる、涙
彼のベッドシーツににじむ赤いシミ
私の初めてを示す
そのシミを見つめながら
「俺、謝る気はねぇから。」
キョウちゃんはキッパリとそう言い切る。
――なんで……??
こんなひどいことして、なんで平気でそんなこと言えるの?!
意味がわからなくて
キョウちゃんの言っている言葉の意味が全くわからなくて
「本気で言ってるの……?」
ベッドに体を沈めたまま
首だけを彼に向けてそう尋ねると
「当たり前だろ??
俺、いつかオマエをめちゃくちゃにしてやりたいって思ってたんだから。」
クククと肩を揺らしながら
キョウちゃんはクルリと私に向き直る。
う……そ……
その冷たい言葉に驚いて
思わず体を起こすと
「嫌いだよ、美織なんて。」
「……え??」
「オマエのその無邪気な笑顔と、無神経さに俺がどれだけ傷つけられたかなんて……バカなオマエは気づいてすらいねぇんだろう?」
ギラギラした
ひどくイラついた瞳をして
キョウちゃんは私にそう問いかけた。