潤んだ瞳に
荒い息


目の前のこの人は、いったい誰なんだろう。




「煽ったのは美織だからな。」


ベッドに押し倒されたまま
彼の背中越しに、雨が見えた。



意地悪だけど
最後の最後で優しいキョウちゃん



彼は私の
大切な大切な、幼なじみ



「やだ!
イヤ……、いやぁっ!!」



必死の抵抗も
彼の腕には敵わない。


彼は私の手首を頭の上で固定すると、私のシャツの中にゆるりゆるりと指を這わす。





なぞるように
沿うように
私の体をキョウちゃんの指が伝う。


そのゾクリとした感覚に身を踊らせながら、最後の力を振り絞って抵抗すると


「イヤだイヤだ言ってる割には感じてんじゃん。」


呆れたように、彼が呟く。





「な……に言って……、って……ヒャアっ!!」


「オマエ、バージンのクセに結構敏感なんだな。」


そう言って、彼は私の胸にゆっくりと手を這わす。





そのゾクリとした
ビクビクした
奇妙な感覚に驚いて私は思わず身をよじる。




そんな私に


「オマエって敏感なのな。
この分だと最初っから天国に行けっかもよ??」


キョウちゃんはクスクス笑いながら、私の首筋にキスをする。



そんなことない!
感じてなんてない!
期待なんてしてないよ!!



そう思っているくせに
お腹の奥が疼いてしまう、そんな自分に嫌悪感が湧いてきて


「お願い、もうやめて。
もうやめてよ、キョウちゃん……!!」


涙を浮かべながらそう懇願すると


「やめてどうすんだ?」


「……え?」


「今ココで俺がやめたとしても、どうせオマエは拓真に抱かれんだろ??」



キョウちゃんは
まっすぐな目をして、私にこう問いかける。