――う…!!
綾音のその返しに、思わず口ごもっていると
「意外と不器用なんだね、響弥くん。
気持ちがない女にはいくらでも優しくできるクセに、本気で好きな女の子には意地悪しちゃうだなんて、子どもにも程がある~!!」
綾音はさらにゲラゲラと笑いだす。
そんな綾音にイラついて
「う、うるせぇ!
しょうがねぇだろ!ほっとけよ!!」
ブスッとしながら反論すると
「悔しいけど……仕方ないね。」
アイツは少しさみしそうな顔をして、俺の頬に手を当てる。
「キミから発せられる、その青臭い色気が大好きだった。セクシーなそのカラダも、色気のあるその指先も、私の中に入ってきた時の吐息も、全部全部たまらなく好きだった。だけど…私はキミにあんな表情をさせられない。」
「…え??」
「あんな風に全力で怒ったり、心配してる響弥くんは初めて見たわ。私じゃあんな表情はさせられないもん。
響弥くんの感情を揺さぶるのは美織だけ。響弥くんを突き動かすのも美織だけ。最初の頃に言ってた忘れようとしても忘れられない女……それが美織なんでしょう??」