雨の降る町をそんなことを考えながら歩いていると、あっという間に綾音の住むアパートにたどり着く。
「ただいまー…。」
ポツリと呟いて、中に入ると
「おかえり…っていうべきなのかな。」
苦笑しながら綾音がトコトコと玄関へ歩み寄る。
「うーん、今はおかえり…でいいんじゃね?」
そっけなくそう答えると
「…で?この関係はいまだ継続でいいの??」
綾音は突然、ものすごい直球な質問を俺に浴びせかける。
――綾音らしいな。
そんなことを想いながら
「ハッキリ言って言いワケ?」
そう尋ねると
「っていうか、そうさせる時なんじゃないの?美織…なんでしょ?響弥くんの忘れられない相手って。」
にっこり笑いながら綾音はあっさりすっぱり、そんなことを言い始める。
その直球さ加減に目を真ん丸にしたまま、カラダの動きをフリーズさせていると
「なに、その顔。もしかしてバレてないとでも思ったの??」
綾音はおなかを抱えてケラケラと笑いだす。