あたしも屋上を後にしようとした―――――が、


あ〜あ、もう授業始まっちゃってるよ。


時計が目に入って立ち止まる。


ま、後20分くらいで終わるし、もうちょっとここにいるか!


ってことは、橘くんも授業サボってたのかー


なぁんてことを1人で思いながら、あたしは冷たいコンクリートに寝そべった。



空は、なんであんなに青いんだろ。


ふと、和田谷を思い出す。


『正直言って、うざい』

『変だよ、お前』



さっきの言葉を思い出して、目尻が熱くなる。

……でも、あたしはめげない。



「よぉ〜っし!」



チャイムが鳴ったのと同時に、廊下を駆け出す。



ガラッと教室を開ける。


「あ、奈津ーどこにいたの?」



友達の話なんて聞こえない。


ただただアイツの姿を探す。


「……っ、どこいったぁ!」


放課後練習のおかげか、早く走れる。

息が上がる。


無意識に中庭を見る。