「くそっ」


柚希はやりきれない気持ちでいっぱいだった

なぜそんな気持ちになるかといえば、李生があれからまったく顔を見せないからだ

あの時、何気にまた来て欲しいと誘ったつもりだった


”週二回、フラワーアレンジメントの教室やってるから、興味あったら来てみなよ。待ってるから”



”待ってるから”

その言葉が真実だった

興味があるかないかなんてどうでもいい、俺は真剣に待っているから、”来て欲しい”それが本音だった


自分の言い方が回りくどかったのか、それとも本当に興味がなさすぎるのか、あるいは・・・・


俺に


会いたくない


が、正解か・・・・・・?




あの時、正直、高校生の甥っ子に嫉妬した

生意気にバラなんか誕生日に贈ってんじゃねーよ!!って

贈る相手が李生だって知ってたら、あんな花言葉の花など勧めなかった



「神の祝福」



まるで、俺があいつらを祝福してるみたいじゃねぇか


なんで匠も花を選ぶとき「ブルーローズじゃなきゃいやだ」なんて言ったんだ

花のことなんか何にも知らねーくせに

どう考えても、匠も片田が・・・・

片田が・・・・・



・・・・・うそだろ、ありえねーって