わたしは一生の終わりのような

そんな絶望のような気持ちに走りそうだった


なのに、わたしには、先程から出す声が見つからない

故に、口を開いたのは柚希だった





「ああ、高校の時の同級生、だよな?」




同級生、まで柚希は匠の顔を見て言い、そのあとの問いを、わたしの顔を見つめて言った

わたしはドキリとし、ただ頷くしかできなかった


まるで初心な少女になったようなからだ

顔からほとばしる赤いりんごを抑えるのに必死で

なにも言うことなどできない



”お願いだから、わたしを見ないで”



バラの花束に顔を埋めるようにして、顔を隠す


”お願い、青よ、わたしも青に溶けさせて・・・・”