よりによって、匠といる時に


いいえ


匠はなぜ、彼を知っているの



瞬時にわたしはハッとした



もしかして


匠はわたしを恋人だと彼に言ってあるのだろうか


胸を突き上げる鼓動がさらに増す


誰が次の言葉を発するのか

ルーレットの中を回る駒のように


誰、誰、誰、誰、誰・・・・？





「え？もしかして、ふたりは知り合い？」



柚希と李生の問いかけの途中で、匠が声を発した


李生はそのことに一瞬安堵して、すぐに緊張を走らせた


やっぱり、ここに匠の存在は

わたしを”不利”にする