少し低くて丸い声 明らかに男の声だったけど

私は、振り向いてしまった。

そこには、車イスに座る テンパで瞳が茶色く

いかにもモテそうな男がいた。

普通なら無視する私も返事をしてしまった。

「傘忘れちゃったから。」

「風邪ひくからコレ」

とその男の子はタオルをわたしてくれた。

「ん。 ありがとう あ、これ、あとで 返してもいい? 面会時間やばいから」

「うん。じゃね」

と言って行ってしまった。