"あの人婚約者なの?
こないだ話してた内容のお見合いってあの人なの?
…私はなんなの?"
あぁ…やっぱり沙織さんの話聞かれてたか…。
そして、こないだ父さんと話してた会話も聞かれてたか…。
「璃優…?聞いて!」
璃優は横に首を振る。
「璃優…お願いだから。」
"やだ。聞きたくない。
結婚するなら勝手にすればいい。
昨日私に言ってくれた言葉は、嘘だったんでしょ?
私が子供だからってからかって。
冷静になって考えてみたら、私、高校生だし?
先生には大人がお似合いだよ。"
そう書かれていた。
耳を手で被い、首を横に振る。
「…璃優。お前は俺をそう見てたのか?
昨日の璃優が好きだって言った言葉も、嘘だと思ってたのか?
婚約者と結婚すればいい、そう思ってるのか?
璃優を子供扱いしてる、
そんな軽いやつだと思ってたのか?」
璃優の耳を覆っている手をつかんで、璃優の目を見て話す。