「僕が確かめて来るから、しづ姫といてあげて」
悟くんがそう言うと、和子さんはハッとしたように居住まいを正した。
「いえ、わたしが見て参ります。大奥様と圭吾様から、万事滞りないようにと家の中の事を全て任されているのですから」
「無茶だって、ばあちゃん」
うん、わたしもそう思う。
「お見苦しい所をお見せしまして、申し訳ありません。羽竜の御本家に仕える者としては、あるまじき事でございました」
気丈にも、和子さんは立ち上がった。
すると、わたしの足元をウロウロしていたペロが、急に耳をピンと立てて立ち止まった。
「ペロ? どうしたの?」
何か聞こえたのだろうか、次の瞬間、ペロは勢いよく走りだした。
「ペロ?!」
悟くんが捕まえようとしたけど、ペロは素早くすり抜けて行ってしまった。
向かう先は、さっき和子さんが指差した方向。
得体の知れない影が通って行った先だ。
「悟くん、どうしよう!」
「黙ってても戻って来るんじゃない?」
悟くんがそう言うと、和子さんはハッとしたように居住まいを正した。
「いえ、わたしが見て参ります。大奥様と圭吾様から、万事滞りないようにと家の中の事を全て任されているのですから」
「無茶だって、ばあちゃん」
うん、わたしもそう思う。
「お見苦しい所をお見せしまして、申し訳ありません。羽竜の御本家に仕える者としては、あるまじき事でございました」
気丈にも、和子さんは立ち上がった。
すると、わたしの足元をウロウロしていたペロが、急に耳をピンと立てて立ち止まった。
「ペロ? どうしたの?」
何か聞こえたのだろうか、次の瞬間、ペロは勢いよく走りだした。
「ペロ?!」
悟くんが捕まえようとしたけど、ペロは素早くすり抜けて行ってしまった。
向かう先は、さっき和子さんが指差した方向。
得体の知れない影が通って行った先だ。
「悟くん、どうしよう!」
「黙ってても戻って来るんじゃない?」