捜索願いを出して三日後、
父は母の墓の前で発見された。


墓石に寄り添うように
死んでいたという。


見つけたのは義母だった。


なぜ義母がそこにいたのかはわからない。


父もなぜ…


いや、本当は解っているような気がする。


母が死んだ日から、
父の心は壊れてしまったんだ。


僕がいることでかろうじて
ギリギリのところで留まっていたのかもしれない。


父を失った夜に湯月とひとつになった。


あまり話すことのなかった父でも、
肉親を亡くすという現状が、
心にぽっかりと穴が開いたようで、
無償に何かで埋めたくなった。



そして、そこには湯月がいた。