―――15年前
「お前の名は?」
「ハルス・カイ・サクラス…」
「そうかサクラス家は?」
―――ない
その頃ちょうど生界では乱戦をしていた。
敵が攻めてくるときあの審判の刻と同じあの心臓に響く音がする。
目の前で母が私をまもっていた。
父は私を逃がした。
私は隠れて見ていた。
両親は壁に吊るされ殺された。
兄は家の前に首を置かれた。
私は敵がいなくなったあと、首を埋めた。
まだ生まれたばかりの弟は泣き叫びながら死んだ。
口には同然出来なかった
表情から察したのか、この人は、私を家へつれてってくれた。