「…怖くは、ない。」

どんなに考えても、答えは出てくれなくて

思ったままの言葉が、口をついで出た。

「なんで?」

意外だ、とでも言うように彼女の目が大きく見開く。

「なんだか君、ヴァンパイアっぽくないし。」

一瞬、彼女の顔が曇る。あれ、不満?

「じゃ、これでも?」

グイッと顔を近づけて、大きく見開く瞳。

そこにはさっきまであった、ライトブランの瞳ではなく

ヴァンパイアの赤く輝く瞳がそこにあった。

「――――――綺麗、だな。」

一瞬、瞬きも忘れてその場に固まってしまった彼女。

次の瞬間には、顔が夕陽みたいに真っ赤になって

それを隠すように、僕から離れ後ろを向いた。