なっ――――――――

「ゆーきとっ♪」

そいつは、笑顔で僕に手を振っている。

しかも、僕の事を下の名前呼んでいるし。

嘘だろう?なんで?

「な、なんで?!」

突然の事で、声が裏返った。

それが可笑しかったのか、クスクス笑っている。


「今日は学校休んだから、心配になって。」

イヤイヤイヤ…そういうことじゃなくて

「なんでココが分かったんだ?」

「それは・・・」

淡い栗色の髪を、ふわふわ揺らしながら

妖艶な笑みを浮かべて、スーッと一瞬で目の前に近づいてきた。

「私がヴァンパイアだから。」